お知らせ
空き家税制について
2017/06/09
昨年の平成28年度税制改正において改正されたいわゆる空き家税制、所得税の特例とともに固定資産税の改正も理解する必要があります。ゴミの放置や、火災、倒壊など、空き屋をめぐる問題は、社会問題化しているといっていいでしょう。では、どうして空き家は減らないのか、むしろ増加しているのでしょうか。
社会問題化しつつある空き家問題に行政も動き出しました。平成27年2月の改正以前の税制(平成28年度から適用)においては、住宅用地である場合、固定資産税の優遇を受けられましたが、改正以後の空家等対策推進特別措置法に規定する特定空き家に該当した空き家は、住宅用地にかかる特例措置から除外されることになりました。従いまして、空き家は住宅とはいえ固定資産税額が相当に大きくなるリスクが生じたわけです。また、固定資産税の滞納による、空き家差押えも可能になることで、空き家を抑制したいという行政の意図がうかがえます。核家族化が進んでいる現代において、親の居住した土地建物を相続したものの、自身は他の居所をかまえており、受け継いだ遺産を活用できず、売却するのもしのびない。更に少子化も伴い、古い一軒家になかなか借り手がつかずに放置するなど、こういった悪循環が空き家化をまねくわけですが、固定資産税の優遇を受けられないことになると、維持をするにも難しくなるわけです。※特定空き家の判断基準は
⇒ http://www.mlit.go.jp/common/001090532.pdf
平成28年度税制改正においては、平成31年12月31日までの間に、相続した家屋(耐震性がない場合は耐震改修後)または家屋除却後の敷地等を譲渡した場合、居住用財産の譲渡所得の3千万円特別控除が適用されることになりました(措法35)。つまり、使える空き家は耐震リフォームしてから、使えない空き屋は取り壊すなどしてから土地家屋を売却する場合は、税制優遇措置を適用しましょうという趣旨のものです。但し、適用要件がいくつかあるので注意が必要です。
1.相続開始直前に被相続人のみが居住していた昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有建築物を除く)及びその敷地で、相続の開始日以後3年を経過する日の属する12月31日までに譲渡した場合に限られます。
2.譲渡対価の額が1億円を超えるものには適用できません。ただし、一定の期間内に一定の譲渡をした価額を合算して1億円を超える場合は、本特例が受けられないなど、状況によっての判断が必要になりますため注意が必要です。
3.譲渡をする家屋又は土地は、相続の時から譲渡の時まで事業用、貸付用、居住用に使われていないことが必要です。
この他にも、当該特例を受けるためには、申告書やその他書類等手続の要件もございますので、お近くの税務署や専門家へは「事前に」ご相談ください。